| ガラパゴスは、19世紀にダーウィンが「進化論」の発想を得た当時からほとんど環境が破壊されていない、いわば「魔法の島」です。体重200キロもある小山のようなゾウガメ、赤道下に生息する珍しいガラパゴスペンギン、"恐竜の孫"のようなウミイグアナ。
また、人間の背丈を超える大きなサボテンや、キク科なのに高さ13mもの大木になるスカレシアなどの植物。彼らは世界の他の場所には見られない、ガラパゴス固有の生物です。そして、果てしなく広がる群青の海と空・・・。1964年に学術探検で訪れてから、私はその魅惑的な自然景観と、興味つきない不思議な生物相と生態系に強く心を引かれ、以来9回渡島しています。
ところが、この「魔法の島」にも近代化の波が押し寄せ、世界的に稀少な生態系が失われようとしています。入植の際に持ち込まれたヤギが野生化し、固有植物を食い荒らしたり、帰化植物がガラパゴス本来の植物を駆遂するほど繁茂したり・・・。ガラパゴスの固有種が絶滅することは、地球上からこの貴重な生物が消えるということです。
こうした危機的状況に対し、私が客員研究員を務めるダーウィン研究所では、経団連からの支援金を受けて、絶滅の危機にある植物を野生化したヤギから守るための柵囲いや、帰化植物の広がりをコントロールする為の繁殖生態調査に活用し、着実に成果を上げつつあります。美しく、そして特異な生態系を持つ自然環境、そしてダーウィンの進化論を生んだ科学思想史の聖地。支援金はガラパゴスの特異な自然環境と思想史の聖地の保全に大きく寄与しています。
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