ログハウスのメンテナンス

愛情を注ぐだけ愛着が沸いてくる

私たちの身のまわりにある道具が、時々、手入れを必要とするように、ログハウスも手入れが必要です。建物の完成後も木が呼吸しているログハウスでは、メンテナンスはとても重要なのです。メンテナンスは面倒がらず、楽しみながら行うようにしましょう。それは、まるで気に入っている道具に手入れをすることで、愛着がより深まっていく感覚に通じるのかもしれません。お気に入りの道具同様に、自分のログハウスにより深い愛着が沸いてきます。そして、適切な手入れを続けていけば、建物の味わいも深まり、何代にもわたって使い続けていけるログハウスになるのです。

ログハウスの再塗装

ログハウスの再塗装

再塗装は、初回は2~3年後、その後は5~10年を目安に行っていきます(BESS塗料の場合。立地条件によっても違ってきます)。塗料は、木材の呼吸をさまたげない含浸タイプを使用します。ログ壁の凹凸に溜まった土ホコリや汚れは、塗料ののりを悪くするので、まず洗浄から始めます。水は下からかけると、ログ壁下部の実加工(ハンドヒューンログハウスではグルーブ)から水が内部に入ってしまうので、必ず上からかけるようにします。ブラッシングをする場合は、木目に沿って、ログの表面を傷めない程度に軽く行います。
 洗浄が済んだら塗装作業に移りますが、洗浄から1~2日置いて、ログがよく乾いてから行うようにします。半乾きの状態で塗装を行うと塗料がよくのりません。最初に小さめの刷毛を使って、ノッチの入り組んだ部分や建具まわりの奥まった部分から塗っておくと仕上がりもきれいになります。その後、幅広の刷毛を使って広い部分を塗りますが、この時にも上から塗っていくのが基本。塗料が多少垂れてきてしまっても塗り直すことができるからです。そして、2度塗りがおすすめ。色むらができず仕上がりがきれいになるばかりでなく、耐候性も高くなります。

建築後のメンテナンス(セトリング対策)

柱のメンテナンス

柱のメンテナンス

年月を経るとログ壁が下がってきますが、柱など縦方向の木材の長さはほとんど変わりません。その高さの差を調節するのがスクリューボルトです。柱の上下のいずれかに設けられますが、ログ壁が下がってきた時にこのナットをゆるめます。
建具のメンテナンス

建具のメンテナンス

窓やドアなどの建具の上には、ログ壁の沈み込みに対処するため、セトリングスペースがという空間が設けてあります。その空間を隠しながら、かつデザイン的にも見栄えがするようにトリムボードという板が取り付けられています。自動的にスライドするようになっていますが、問題があれば調整します。
階段のメンテナンス

階段のメンテナンス

ログ壁が沈むと2階の床も沈んできます。それを見越して、階段の下にはスペーサーボードという高さ調節用の板が入れられています。セトリングの状況に応じて、この板をはずしていきます。

ログ壁のメンテナンス

ログ壁は最上段から最下段まで1本の通しボルトが入り、ログ壁全体を固定しています。ログのセトリングにより、このボルトのナットがゆるんできますから、増し締めをします。