「程々が一番」を地で行く
アジアン家具と陰翳の家

岡山県総社市 Hさん
ジャパネスクハウス /
延床面積119.24m2
3LDK+ロフト
[ BESS岡山 (株)BESS瀬戸内 ]

「程々の家」にしたのは
カタログの言葉が決め手

桃太郎伝説で有名な鬼ノ城にほど近い田園地帯に忽然と現れる、大きな甲羅屋根のH邸。倉敷出身のご主人が新築を決意したのは、いまから9年前のことでした。
「南欧風、北欧風と幾多の変遷を経て辿り着いた結論が『古民家』。やっぱり日本人ですね(笑)。ですが実際に古民家に住むとなると改修に はかなりの費用が必要ですし、なにより良い物件に巡り合うのが難しい。ならば新築で古民家風の家をと思ってやっと巡り合えたのがBESSのジャパネスクハウスでした。
ただ古民家の容姿を建築に取り入れているだけではない。『田舎暮らし』『スローライフ』といった古民家的生活様式(と でもいいましょうか・・・)への憧れを叶えてくれる。『程々の家』が発表されたとき、もうこれしかないと思いました」
ご主人の心をつかんだのは、新しい家なのに此処彼処に感じられる、陰翳に富んだ古民家のような佇まい。そしてもう一つ。「程々の家」のカタログに載っている言葉の数々でした。
「『経年美化』とか、 『造りすぎ飾りすぎは野暮とすべし』とか、ふつう住宅のカタログでは見かけないような『粋』な文句にグッときたんですね。
ちなみに、歴代のカタログはいまでも大事に保管しています。それくらい、この家の哲学が自分には合っていた。ただ、『程々の家』というネーミングは、程々というより、少しやりすぎじゃないかな、とも思いましたけど(笑)」

価値観に共鳴するご主人が選んだ
手を加えずに住むということ

建てたい家とは出会ったものの、なかなか出会えなかったのが、土地。職場と実家の中間地点に位置して、しかも鬼ノ城が見える、という絶好の立地と巡り合うまでには、ゆうに6年もの月日を要しました。
「いま思うと、展示場にはよく来るし、カタログも欠かさず収集しているのに、なかなか契約までには至らないという客でした。営業担当の人は、途中で嫌になっちゃったんじゃないかな」
懸案の土地が決まってからはトントン拍子。カタログの言葉に共感し、誌面で展開される「程々の家」の価値観に絶対の信頼を置いていたご主人は、あえて素のまま、手を加えずにこの家に住むことを決めました。
「プロが考え抜いた間取りや仕様に、自分のような素人があれこれ口出ししても、いいことはあまりないだろうと思ったんです。自分でいじったとしても、後からこうすればよかったとかいろいろ考えてしまいそうで。だったら、最初からあるものをそのまま使うのがいいんじゃないかな、と」。
その言葉どおり、H邸で標準仕様に加えられたオプション要素は、寝室の畳と、2階にある2部屋の天窓のみ。その他の仕様はほぼBESSの設定のとおり。「程々の家」本来の家構えに深く共鳴するご主人の思いが伝わってきます。

アジア家具のゆるい感じが
傷も味わいとなる家にぴったり

一方でご主人が強くこだわったのは、調度品でした。和紙のシェードでほどよく灯る照明、玄関に微かな青の陰翳を加える倉敷ガラス。そして、チークとレザーのソファ、古木をそのまま使ったフロアライト……。H邸のインテリアに統一して流れているのは、どこか懐かしさが感じられるアジアンテイスト。そのほぼすべては、「カリッジマーケット」という人気のオンラインショップで調達したものだとか。
「家の雰囲気を生かすも 殺すも家具次第。なんせ個性の強い家ですから。和風の家に和の家具、とは絶対したくなかったんですね。程々の家って『外国人の目で見た和風』 のような家だと思うんです。それでこの家に似合う家具は、と考えたときにしっくりきたのが、この店。 サイトの文面から伝わるものがどことなくBESSに似ていて、相性は絶対いいだろうとも思いました。そういえば、細部の造りが少々ラフなところも近いかもしれません(笑)」
アジアン家具は、一つひとつ手作りで、多少のがたつきはあるのが普通。引き出しを入れ替えるとうまく入らなかったり、戸棚の隙間が左右で違ったり、傷がついていたりする場合があることも、むしろ魅力の一要素だとか。典型的なA型人間ゆえ、きっちりした家だと小さな傷でも気になって仕方がなかっただろうと自己分析するご主人にとっては、傷が味わいに感じられる床や壁や家具に囲まれた家こそが「最上の家」だったのでしょう。

土の庭では「程々」レベルを
超えて遊ぶのも大歓迎!?

「ただ、柴犬のシロが床や家具をかじりまくってしまうのはちょっとね……。多少の傷は味わいとして許容できるんですけど、こいつの牙と爪にやられちゃうと、さすがにダメージが大きすぎるんですよ」
何事においても過剰であることをよしとしないご主人の家では、愛犬にも「程々の」わんぱくぶりが求められているのかもしれません。
「家にとって大事なのは、建物と家具と庭」と考えるご主人にとって、今後の大きな課題は、庭。広い庭は、奥様が一度家庭菜園に挑戦して以降は、真砂土を入れただけで、まだほぼ手つかずの状態です。芝を植えたいという希望を持ちつつまだ実行に移していない現状には、愛する娘さんへの思いが影響していました。
「夏に、娘が友だちといっしょに庭の土を掘って、できた穴に水を入れて池にして楽しそうに遊んでいたんですが、それは芝ではできませんよね。そんな姿を見ると、土もなるべく残した方がいいのかな、と思い直しまして」
愛犬のシロも土を掘るのはもちろん大好き。H邸の庭では、今後も「程々」以上の遊びが展開されそうです。

木材を引っかくのが大好きなシロ。いつもは玄関のケージで行儀よく家族の帰りを待っています。

H邸から一望した鬼ノ城。当地の鬼を吉備津彦命が退治したという伝承が昔話「桃太郎」のモチーフに。

屋根がかかった大きな広縁。「親は『壁つけたら部屋になるのに』と言いますが(笑)」。

居間の格子戸が室内にやわらかな光を演出。

食卓やキッチンからは、「昔ばなし列車」の運行でも有名なJR吉備線の走る様子がよく見えます。

奥様が読書するときに座るのは前面にウォーターヒヤシンスを編み込んだインドネシアのラウンジチェア。

H邸の居間では、日本伝統の格子戸とバリのソファと熱帯アメリカ原産のモンステラが妙趣を醸しています。

古民家にあったといってもおかしくない風情ある調度品の数々。

各々表情が微妙に異なるのが倉敷ガラスの魅力です。右のランプは寝室で豆球がわりに使っているもの。

小学3年生の娘さんは一輪車が得意。ご主人が一時的に植えたという紅葉の木の周囲を元気に走り回ります。

広縁の下にはシロが掘った穴の跡がたくさん。「涼しいからか、夏場は特に、下にもぐるのが好きですね」。