和のテイストとピアノの音色が、家族をつなぐ

静岡県御殿場市 Sさん

ジャパネスクハウス / 延床面積124m2 / 3LDK+オープンスペース / [ BESS富士 ]

程々の家の「和の趣」こそ
奥様が探し求めていた理想型

富士山の東麓に位置する御殿場市は、標高400m以上に市街地が広がる高原都市。相模湾、駿河湾の海風が富士山に直接ぶつかるため、年間を通して降雨量の多い土地柄です。この日訪問したSさんの「程々の家」も、しっとりと雨に濡れた緑の木々に囲まれ、大きな甲羅屋根がひときわ趣き深く見えました。

「建設途中の家を見たご近所の人たちは、『お蕎麦屋さんができる』と噂していたみたいです(笑)。でも、このたたずまいが、特にウチの妻には、イメージしていた家そのものだったんですよ」
趣味で着物の着付けもなさるという奥さまは、古い和箪笥をコレクションするなど、和のテイストに囲まれて暮らすのが夢。だから「広縁」「格子戸」「むき出しの梁」を備えた「程々の家」と出会ったときは、「探し求めていた家があった!」と大喜びされたとか。内装外装に多用されているこげ茶色の木材も、奥さまの好みにしっくり馴染みました。
「BESSのチラシを偶然見かけたときから、私たちの新しい世界が開けたんです」と奥さま。ご夫婦でBESSの展示場に出かけ、「程々の家」を見たその時、お二人は一瞬で心を奪われました。ご自身の憧れていた暮らし方を、すぐに理解してくれるホームナビゲーターとの会話や展示場にある「程々の家」は、そこで家族と暮らしているイメージが具体的になるとともにさらに拡がり、とても楽しかったそうです。

カーテンを掛ける代わりに、装飾性の高い窓枠を選び、
花と花瓶で彩りを加えているそうです。

この家に暮らし始めて
ご主人は手作りの楽しさに開眼

奥さまは「程々の家」の、和のしつらえに惚れ込んだようです。ではご主人は、この家のどこに心惹かれたのでしょうか。
「BESSの家は木をふんだんに使っているので、棚を作ったり、自分でいろいろ手を加えることができる。家族の成長にあわせて暮らし方を変えたりできることや、廊下や間仕切りも少なく、家をオープンに使えるところが気に入っています。私はワンダーデバイスもとても気に入っていたのですが、妻が絶対的にこちらを支持したので、『程々の家』になりました」
大屋根の庇が深く張り出し、このほの暗さが居心地のいい空間にしています。奥さまによれば、リビングから格子戸越しに見る広縁と庭木が、1枚の絵のように気持ちを落ち着かせてくれるとか。

奥さまは広縁のたたずまいがお好きなよう。
「庭を眺めていると、時の経つのも忘れてしまいますね。」

一方、ご主人にとっての広縁は完全に遊びのスペース。この家に暮らし始めてからハマったDIYでBBQ専用テーブルと椅子を自作し、春~秋シーズンには、いまでも月に一度は家族や隣人との宴を楽しんでいます。「庭の外柵を自作したら、自分でも驚くほどうまくできました。この家は、手作りのものがいい感じによく似合う。それに気を良くして、庭にビオトープ風の池を掘ったり、植栽と石でアプローチを仕上げたり。今後は玄関先に藤棚、裏庭にトランクルームを作ろうと企んでいます」
外壁塗装などの家の手入れも、ご家族で計画して楽しんでいます。ご主人は昨年資格を取り、高所作業車に乗って大屋根の側面を自分で塗り直しました。それだけ、手を掛けるのが楽しい家なのだそうです。

鎖樋から雨水を受ける甕の周りには、ご主人とご長男で穴を掘った、力作の「池」が。
「水草やメダカなどを育てるうちに、自慢のビオトープになりました」。

2階ロフトは家族の集まる
セカンドリビング

「程々の家」のなかで、自然と家族が集まるのは、2階のオープンスペース。
「夜、ここで私が子どもとお喋りを始めると、別の子がそれを聞きつけて会話に加わり、すぐ隣の書斎では主人が本を読んでいたりして、気がつくと、家族全員がなんとなくここでぼんやり時間を過ごしてたりするんですよね」と、奥さま。その時間が、妙に心地よいのだとか。S家のご家族にとっては、この空間がセカンドリングになっているようです。ちなみに、ご主人の書斎にある天井までの書棚は、作り付けのもの。蔵書は1000冊以上あって、ちょっとした図書館の雰囲気でご主人、一番のお気に入りの空間です。

作り付け書棚には蔵書が天井までぎっしり。
書斎で読書しや、PCを操作したりするのが、ご主人のリラックスタイム。

このスペースに最近、着物着付け用のトルソーが持ち込まれました。来年、上の娘さんが成人式を迎えるので、暇を見つけてはここで振り袖の着付けを母娘で練習しているのだそうです。
また、和のテイストがお好きな奥さまは、家のあちこちに絵皿や「細タペストリー」とも呼ばれる布製掛け軸を飾って、四季折々の季節感を楽しんでいるとか。
「そうやって季節感を演出できるのも、『程々の家』で暮らす楽しみのひとつだと思います。実際、和の小物を家のどこに置いても、しっくり馴染んでくれるんですよ」

カーテンを掛ける代わりに、装飾性の高い窓枠を選び、花と花瓶で彩りを加えているそうです。

グランドピアノの和音が
和やかな家族をつなぐ

Sさんのご家族は、実は音楽でもつながっています。
この家のリビングには、新築当時からグランドピアノが置かれていて、2人の娘さんはこのピアノを弾きながら大きくなりました。奥さまが晩ごはんの支度をはじめる頃、S家の高い吹き抜け下のリビングでは娘さんたちの弾くピアノがぽろろんと鳴り響き、それを耳にしながらご主人が笑顔で帰宅する。「いつも音楽があふれている家」は、少女時代にピアノを習いたかった奥様の、もうひとつの夢でもありました。
「年に一度のピアノ発表会やコンクール用に、娘のドレスを手作りするのも私の楽しみでした。娘たちも、きれいなドレスが着られることを励みに、練習をがんばる。東京で行われるコンクールには家族全員で応援に行きましたね。上の娘はピアノ教室を卒業しましたが、これからは保育士として、子どもたちにピアノを聞かせたいそうです」

吹き抜け下のリビングで、グランドピアノによる姉妹コンサートが始まりました。

週末、上の娘さんが下宿先から帰ってくると、下の娘さんと即興でピアノ連弾が始まります。下宿先にも電子ピアノを置いていますが、音の響きがまったく違うので、帰ってくるとグランドピアノを弾きたくてウズウズするのだとか。
姉妹による連弾が始まると、その豊穣な音色が吹き抜けの斜め天井から降り注ぎ、ご主人も奥様も笑顔で聞き入っていました。こうして家族の和やかな時間は、この和の趣の家で、ピアノの美しい和音と響き合うように流れていきます。

愛猫シロも、すぐにこの家に慣れてくれました。
「広縁がお気に入りの場所みたいです」と、ご主人。