Vol.39

Oh!屏風

半年ぶりにBESSの展示場に行ってきました。前回、秋に行った時とまた違った雰囲気が楽しめました。どんな思いで展示場を運営しているのですか。

BIGFOOTBOY

 よく考えなくても●●●●当たり前っていえば当たり前のことなんだけど、でもふと●●したときに、アレッと、なんか不思議な感じがして、思わず「マジック!」と、心の中で小さく感動してしまうことって、あったりしない?・・・たとえば、ホームに立って電車を待ってるとき。向かいのホームにもたくさんの人が電車を待っていて、それをオイラは見るともなく眺めてる。電車が入ってきて(できれば、銀色なんかじゃなく、赤や黄の鮮やかな色の車体がいいな)、すーっと止まって、それから車体が小さく震えたと思うと、何事もなかったように去っていく。あとには、さっきまでの人群れに代わって、空を背にしたビルや電信柱がすっと立っている・・・そんなとき(いつでもってことじゃないけど)、オイラ、まるで歌舞伎の回り舞台を前にしたように、心の中で小さな感嘆詞を発してる。
 そんな感じに似てるかな、屏風ってやつ。元は何枚かのパネル。床に横たわっている平べったい板を、蛇腹を広げながら立てていくと、ナント、台も脚も付いてないのに、自立する! これって当たり前のようだけど、スゴいことなんじゃない? いわばコロンブスの卵。元々は古代中国で風よけとして使われだしたそうだけど、それは脚の付いた衝立。それが日本に伝わって、紙の蝶番(ちょうつがい)が発明され、谷折り・山折りの屈折によって自立して、立体感ある大画面が楽しめるようになった。これが世界中で人気になり、中国やヨーロッパにも輸出されたそう。
 ――たかが屏風、されど屏風。どこにでも自由に移動できて、それがすっと立つと、それまでのだだっ(ぴろ)い空間が、そのまわりだけ息づくように一変する。別にリッパな絵でなくても、ちょっと気の利いた絵が描かれているだけで、空気が変わる。角度によってさまざまな表情が立ち上がり、奥行きある世界が広がる。もはやパーテーションという、空間を間仕切るだけの機能を越えて、人の心を動かす装置(デバイス)。二次元から三次元へ。自立して、自在。これって、やっぱり“マジック”じゃない?
 BESSもそんな装置でありたいな。BESSの家に住んでもらってからはもちろん、地域にBESSの展示場があるだけで、そのまわりに楽しいエネルギーが満ちている。〇(ドーム)△(ログハウス、程々の家)☐(ワンダーデバイス)、色んな形の個性的な木の家。春はデッキでお花見、夏は土間のハンモックで昼寝、秋はロフトで趣味にふけって、冬はほっこり薪ストーブ。屏風を開くように、季節の移ろいに暮らしの楽しみも広がっていく。BESSの家だけが建ち並ぶ“自立”した展示場で繰り広げられる、“自在”なBESSマジック!―BESSに触れることで、毎日の暮らしの中に「!」が増えるなら、こんなうれしいことはないな。

屏風は屈折してるから自立できる―。BESSと似てるかな。

「吐露byBESS」
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