ガレージと趣味のない人生は、つまらない

愛知県瀬戸市 Iさん

ワンダーデバイス / 延床面積156.96m2 / ガレージ+1LDK+オープンスペース / [ BESS東愛知 ]

筋金入りのバイク夫婦が暮らす
怪しい(!?)ガレージハウス

ワンダーデバイスの中でもひときわ趣味性の高いガレージハウス。しかもエクスプレッション(フェイスデザイン)には一抹の怪しささえ漂うファントムマスクを採用。 「人生楽しんだもん勝ち」を標榜するBESSですが、まさしくそんな気配を濃厚に醸し出しているのが、Iさん夫妻の家です。

1階の居間と直結した約15畳のガレージで出番を待つのは、スペインのガスガス、イタリアのベータ、オーストリアのKTM、ホンダ、ヤマハといった各国のオフロードバイク6台。

バイクを6台収容してもゆったりのガレージ。
ここでバイクを肴に一杯やるのが至福のひととき。

カーデザインの仕事の傍ら、トライアルとモトクロスに精を出すご主人は、モンゴルのラリーに出場したこともある大のバイク好き。 さらには奥様も、四国一周レースに出たり、職場の特設コースで練習しているという猛者。筋金入りのバイク夫婦なのです。

過去の愛車のフロントマスクに、二人のバイク史が刻まれています。

展示場で見かけた木の家に
ピンときて戸建てを決意

以前住んでいた賃貸の店舗付き住宅でも1階部分をガレージとして使用していたお二人ですが、ちょっとした経緯があって引っ越しを決意。 ご主人が出張先で見かけたBESSの東愛知展示場で、個性的な木の家にピンとくるものを感じ、戸建て新築を決めました。 「ジャパネスクハウスにも惹かれましたが、ガレージに改造するのがさすがに大変かなと思い直して、ガレージタイプのワンダーデバイスにしました。 妻の知り合いがたまたま地主さんで、トライアルの練習場まで30分、モトクロスの練習場まで20分の場所に土地があると聞いて、ほぼ即決。
自分としては、1階を全部ガレージにしたいくらいでしたけど、さすがにそれは妻が取り合ってくれませんでした」。

リビングのすぐ隣がガレージ。

家が未完の状態で住み始め
自分で仕上げるのがIさん流

いざ住み始めてみると、ガレージ部分の使い勝手はもちろんのこと、居住部分にも予想以上のポテンシャルを感じているとのこと。 でも、部屋ごとの仕切りを省いているし、吹き抜けスペースも通常より広くしているし、冬場はちょっと寒いんじゃないですか?
「それが、1階で石油ストーブを一つつけておくだけで十分あったかいんです。Tシャツに裸足でも平気なくらいなんですよ」。

木とお香のいい匂いが漂うリビングからは、
Iさん自慢のガレージが3つの窓ごしにいつでも眺められます。

ご夫婦はともに芸大出身。学生時代に家具店の工房でバイトしていた経験があるご主人は、なんでも自作してしまう生粋のDIY男子。 ガレージの天井は仕様の覆いをつけない状態で、2階の壁やキッチン周りもあえて石膏ボードのままで引き渡しをしてもらったとか。

天井の部材を取っ払ったガレージ。
両側の壁にはオフロード用ブーツやメンテナンスの工具が所狭しと並びます。

「家って、住み始めてからでないとイメージが湧かない部分がありますよね。だからある程度、後から自分で仕上げる余地を残しておいたんです」。
奥様の選んだ壁紙をバイク仲間とともに糊付けし、お気に入りのタイルを買ってキッチンに1枚1枚手貼りしたのは、引き渡しを終えてしばらくたってから。

2階の壁紙は柄を奥様が厳選し、バイク仲間たちといっしょにワイワイやりながら張ったもの。

台所のタイルも奥様が自ら設えたもの。プロ級の仕上がり。

初めて訪れた人の度肝を抜く
自作のクライミングウォール

他にも、火鉢付きの座卓、ウッドデッキ上の軒や各種の棚、ガレージの工具棚や簀の子、戸外の大型物置……と、I邸の内外装には、家主手製のアイテムがここかしこに。 むしろ、買ってきた家具はほとんどないと言ったほうが近いかも。

右手の大開口の窓から十分な陽光がそそぐリビング。
火鉢つきテーブルは、濃い床色に合わせて塗られています。

手に取りやすいよう角度がつけられた手作り工具棚。

「市販のものって、どうもこの家には似合わない気がするんです。というか、手作りのものなら多少テキトーでもしっくりくるのがワンダーデバイスなんですよ、きっと」。
数ある手作り品の中でも特に強烈な印象を放つのは、2階南側の壁に設えられたクライミングウォール。 トライアル、モトクロス、クローラー(ラジコンカー)、山登り、自転車、スキー、炭火いじり、睡蓮鑑賞と多彩な趣味を持つご主人が、8年前に始めたホビーです。

手作りのクライミングウォールは傾斜がついた本格派。

指の力が入りやすい専用のクライミングシューズを着用して
自作の壁を自在に登るご主人。スパイダーマンのよう。

「家を建築している途中にふと思いつきまして。本当は吹き抜けのある1階リビングから2階天井までクライミングウォールにしちゃおうかと思ったんですけどね。 酔っ払った状態で登って落ちたら確実に死ぬな……と思い直して、2階に作ったんです」

部屋の仕切りを取っ払って広々と使用している2階。
クライミングウォールには構造用合板を使っています。

奥様のお共のシェルティーが
趣味の家を自在に駆け回る。

壁面にへばりつく夫を見ながら「上の窓ガラスを拭いてもらうのにちょうどいいですよ」と語る奥様の足元には、シェルティーの「ヒンベエ」くん。 名前の由来は昔NHK教育でやっていた「おーい!はに丸」に出てくる馬の埴輪。 実は、奥様の愛称は学生時代にご主人が命名した「ハニマル」。愛犬の名には奥様のお供というイメージが込められているわけです。

愛犬の「ヒンベエ」くん

本当はフレンチブルドッグに憧れていたご主人。ただ、トライアルやモトクロスの現場に同行する機会が非常に多いI家の犬には、タフさが必須。 夫妻のライフスタイルに合った犬としてやってきたのがヒンベエでした。実際、ヒンベエは家にしっくりなじんでいます。 ソファや火鉢の脚を噛んでも怒られないし、勝手に外を周回する自由も獲得済み。階段を駆け下りてドリフト走行するテクも修得済み。
ただ、家主には一つ許せないことがあるそう。「こいつ、僕が好きなものに吠える癖があるんですわ。バイクやクルマやラジコンが動いていると、すぐ向かってきて吠えまくる。 うちで長く暮らしていくには、そこを改善しないと」。

改造や模様替えは日常茶飯事。
I邸が完成する日はない!?

デザイナーが本職のご主人は、間取りをあれこれ夢想するのが好きで、部屋や庭の模様替えは日常茶飯事。 いまイメージしているのは、日本庭園風になっている家の周囲を夏までに石畳の道にすることだそうです。

4面あるうちこの面だけは木を活かした壁面。
大窓を開ければウッドデッキまで居間が拡張されることに。

愛車のミニで家を一周できるようにしたいんです。バイクを載せるトレーラーをつなげた状態で方向転換するのってわりと大変なんです。 ウッドデッキから食べ物を受け取って、ドライブスルーみたいなこともできそうだし」。
やりたいと思ったことを躊躇なく実践していくご夫妻と、どんな個性でも懐深く受け止めてくれるワンダーデバイスとは、どう見てもぴったりの組み合わせ。 年を経るごとに「床とか壁の木材の具合が、いい感じに『やれて』きそう」と家主が期待するI邸。完成することは永遠になさそうです。