経年変化が美しい家。ともに成長し「家に似合うふたり」になりたい
Hさんご家族
エリア:神奈川県
シリーズ:G-LOG なつ
家族構成:2人+1匹
現地を訪れてクチコミで土地探し
住所としては神奈川県相模原市緑区。
ただし中心地から車で30分以上走った台地に、H夫婦が建てた〈BESS〉の「G-LOG」はある。
秋田出身のご主人・Kさん(@camp_ee)は、就職で相模原へ。
佐賀出身でシンガーのSさん@_sotoniyatoni_)と結婚して3年。
当初は橋本駅近くのマンションに住んでいた。
「2年くらいマンション暮らしでしたが、いつかは家を建てたいねという話はしていて、よくBESSのLOGWAY(ログウェイ・展示場)に行っていました。あるとき、久しぶりに行ってみたら、買いたい欲がすごく高まってしまって、即決。翌週には契約していました」と笑うKさん。
Kさんはキャンプが好きで、コテージや山小屋に泊まったときの感触がよかったこと。
キャンプでの焚き火が好きなので、薪ストーブを絶対に入れて家で火を見たかったこと。
それがBESSの家購入に踏み切らせた理由だという。
デザインや見た目のアウトドア感だけでなく、BESSの“哲学”にも共感している。
きっかけは『BESSってなんだ?』という冊子だ。
「ひとつひとつ気になる言葉ばかりなんです。あまりに好きなので、BESSの家を検討しているという後輩に『読んだほうがいい』とプレゼントして、自分用にもう1冊もらいました。これは2冊目。トイレに置いてあります」
表紙には「ドレスアップよりドレスダウン」「時間の設計」など、気になったフレーズが書き込まれ、中面にもメモがたくさん。
熟読していることがわかる。
なんと自宅の柱にも「野暮は揉まれていきとなる」と書いてしまったほど。
こうして家の購入は決めたが、もちろん土地も必要。
職場から離れすぎない範囲で「広い庭もほしいし、薪ストーブもあるので」と、なるべく自然に近い場所にこだわった。しかし、なかなかいい場所が見つからない。
「もっと奥へ行こう、もっと奥、もっと奥……、といううちにどんどん町から離れてここまで来ました。田舎だけど、雰囲気がすごく良かった」
ふたりの家が建っている立地は開けていて、
家や畑が点在するが森に囲まれていて秘境のようなところ。
「自分たちでも土地を探そうと思って巡っていたんです。偶然、この近くにある商店に入ったときに、
常連さんらしきおじいちゃんに『土地探しているんですが、いいところありますかね?』と聞いてみたら、
すぐに地元の知り合いの不動産屋さんを紹介してくれて。この土地は2か所めに紹介されて即決しました。
やはり地元の不動産屋さんはその土地に詳しいし、そもそもネットなどに情報を出していないみたいです」
その日のうちにすべてのことが進み、テンポが良すぎてふたりとも心配になったほど。
この場所を見つけたのは偶然ではあるが、それを引き寄せた行動力がもたらしたものでもあるだろう。
家に似合うとは?
「毎日、早く家に帰りたいんです」と言うKさん。
日中仕事をしているので、平日は暗くなった我が家と景色しか見ることができない。
だから週末が楽しみだという。
「週末にやることを決めておいて、そこから逆算して平日を過ごしているんです。例えば週末に棚をつくろうと決めたら、木材やペンキ、ビスなど必要なものをリストアップしておいて、平日の仕事からの帰り道にホームセンターなどで買い揃えておく。そうすると、土曜の朝イチからすぐに作業に取りかかれます。家から買い出しに行くと、往復で1時間以上かかってしまうので時間がもったいない」
「週末は下に降りません」とSさんも笑う。
「下」というのはまちのこと。まだ庭を整えるなど、家仕事でやることが多いということもあるが、週末は家そのものを満喫するのだ。
そうしてどんどん家に馴染んでいくと、ふたりが目指す「家に似合うふたり」になっていくのかもしれない。
「友だちが遊びに来たときに、『別荘みたい』と言われました。ある意味、この家と場所は非日常空間なのかなと」と話すSさん。
一方で仕事は現実。
ふたつの顔を持つわけではないが、仕事の姿から切り離して、自分たちが選んだこの家や環境に馴染んでいきたい。
それがふたりが考える「家に似合う」状態だ。
「会社の同僚に僕のインスタを見られたときに『同じ会社の人じゃないみたい、本当に仕事しているの?』と言われたことがあって、ちょっとうれしかった」とKさん。
家が持つチカラをまるごと享受するために、自分たちからも家に寄せていく。
余計なものが間に入らないほうがふたりにとっては、暮らしを純粋に楽しめるのかもしれない。
Sさんは6、7年ほど前からシンガーとして活動し、“アウトドアアーティスト”を自負している。
遊びに行くのも歌うのも、アウトドアが好き。
「趣味がアウトドアなので、それと絡めて活動できたら素敵だなと」
名前のとおり、現在はフェスや、野外イベントなど屋外で歌うことが多い。
なんと取材日の翌週には、『りんご音楽祭』出演をかけた二次審査が控えていた。
「キャンプも好きで外遊びが大好きなのに、まちのマンションに住んでいたことを少し後ろめたく感じていました。だからBESSのログハウスに住むことになり、堂々とアウトドアアーティストって言えます」
ふたりの様子を見ていると、もうかなり「家に似合っている」ようだ。
焚き火から薪ストーブへ
ふたりの共通の趣味は音楽とアウトドア。だから音楽フェスにもよく出かける。
好きなフェスは上述のように『りんご音楽祭』や『森道市場』。
こぢんまりとしたものが好みだ。
Kさんは、子どもの頃から両親に連れられてよくキャンプに行っていたという。
大人になってからは、自分でキャンプ道具も揃え、ソロキャンプや登山に行っていた。
神奈川や山梨の有名なキャンプ場はだいたい行ってみたという。
ふたりでは、愛車のランドクルザープラドの人気モデル、通称「78プラド」で北海道1週の旅にでかけたこともある。
「キャンプはどんどんシンプルになっていますね。雑ともいうけど(笑) 以前はきれいに飾って、凝った料理をつくっていましたが、最近は手抜きも多いです。必要最低限でいいかなと」
これは実は上級者の発言。
最初はいろいろとかっこいいギアを揃えたくなるし、使わなくても置いておきたい。
でも次第に使わないものは持っていかなくなり、ミニマムになっていく。
技術が身につけば、便利グッズも不要。
「一時期は毎週のように行っていました。でも焚き火が好きなので、真夏はあまり行きません」
「暑すぎて、夏キャンプのやり方がわからないです(笑) みんなどうやって過ごしているんだろう?」とSさんも言う。
焚き火が好きだったから、薪ストーブはマストだった。
薪を集める「薪活」を何度もすることによって、薪についても詳しくなった。
「最初はとにかく集めて、焚ければいいという感じでしたが、1シーズン過ごして、ちょっとこだわるようになってきました。薪の種類は勉強したり、近所の仲間から聞いたりしてわかるようになってきましたね。木を見てナラ、スギとか、樹種もなんとなくわかるようになりました」
薪割りは友だちと楽しくやっているそう。
実際に使用する側にとっては数が必要なので、体力的にも大変な作業。
でも訪れてくる友だちは遊び感覚でできる。
「みんな率先して薪割りしてくれますよ。最近は、切ってくれた薪にペンで日付と名前を書いてもらっています。この冬からはそれを燃やします(笑)」
その友だちが冬に遊びに来たときに、「エクスクルーシブな薪」として燃やすのもおもしろい。
きっと薪を切ったときの楽しかった思い出も蘇るだろう。
薪活を楽しむユニークな工夫だ。
まだまだ広がる家での楽しみ方
BESSの家に暮らし始めて7か月ほど。
その間、Kさんはソロキャンプには何回か行ったが、Sさんは一度もキャンプに行っていない。
キャンプも、遊びに行く回数も減ったという。
なにより家が楽しいから。
「例えば友だちと飲みに行くとしても、近くのまちまでバスだと45分くらいかかるので、車で行ってお酒を飲まないで帰るとか。逆に家に呼ぶことが増えましたね。それで泊まってもらう。今日もこれから庭でBBQです!」
今後、庭にはBESSのログ小屋「IMAGO」を建てる予定だ。
主な利用目的はキャンプやSUP、庭仕事などの道具入れ。
だが、ただの味気ない倉庫にするよりは、収納だって楽しみたい。
さらにヤギも飼おうとしている。
「もう草刈りが大変で、食べてもらおうと思って(笑)」。
ふたりが楽しむプランはどんどん広がっている。
BESSの家は完成したときが100点というよりは、
経年変化していくとどんどん良くなるというのはユーザーの定説。
若くして家を建てたふたりもきっと、家を楽しむことで20年、30年と、
どんどん「家に似合うふたり」に経年変化していくのだろう。
記事出典元:colocal 2023.08.16
この記事の家
G-LOG なつ
日本人の感性をそそぎこみ、木の家の頂点をめざしました。
空中の超ベランダ空間「NIDO」。
空に向かう伸びやかな三角屋根。
自然をとりこみながら、凛とした立ち姿です。