ログハウスの材料

樹種が変われば色や性格も違う

樹木には杉や檜など葉が尖っている針葉樹と楢や栗など葉が幅広の広葉樹がありますが、それぞれ性質も使い方も違ってきます。針葉樹は通常、常緑の高木でまっすぐに育ち、毬果(きゅうか)※を結びます。ログハウスではこの針葉樹が使われます。また、広葉樹は堅いのですが、曲がりが多く加工がしにくいうえに積み重ねづらいので、あまり使用されることはありません。ログハウスでは、それぞれの材の特徴を生かして使用していくことが、とても大事になります。ログハウスに適している主な材をご紹介しましょう。

※毬果……針葉樹の果実。マツボックリは、松の毬果。

スプルース(日本名=米唐檜〈ベイトウヒ〉)

北米に広く分布するマツ科の木。明るい色合いと美しい木肌が魅力。材質もやわらかく加工がしやすい材です。仕上がり面はなめらかで光沢があり、曲がりが出にくいのが特徴です。
心材=白色、辺材=白色。
スプルース(日本名=米唐檜〈ベイトウヒ〉)

北米パイン(ロッジポールパイン)

北米西部に育つロッジポールパインは、明るいクリーム色の木肌で手ざわりはなめらか。樹皮も薄く、加工がしやすいのが特徴です。オイルステイン塗料とのなじみも良い材です。
心材=薄いクリーム色、辺材=薄いクリーム色。
北米パイン(ロッジポールパイン)

ダクラスファー(日本名=米松〈ベイマツ〉)

北米太平洋岸に多く分布する巨大樹。木肌はやや粗い感じが残りますが、非常に強度があり、いくらかヤニっぽさが残ります。樹齢が長いものは皮が厚く、皮むきに手間がかかります。
心材=オレンジがかった赤色、辺材=白色。
ダクラスファー(日本名=米松〈ベイマツ〉)

ウェスタン・レッドシーダー

雨に強く、耐久性があります。美しい色合いから大変人気がある材です。軽量でやわらかく、加工もしやすいので、ログハウスの材として最高級材といわれています。
心材=赤色、辺材=白色。
ウェスタン・レッドシーダー

北欧パイン(ノルディックパイン、日本名=欧州赤松)

北欧に多く生えているノルディックパインは、白く目のつんだ木肌が特徴。明るくさわやかな印象を作り出します。材質はやわらかく、乾燥しやすいとともに加工がしやすい材。ログハウス材としてとても人気があります。
心材=クリーム色、辺材=白色。
北欧パイン(ノルディックパイン、日本名=欧州赤松)

九州から東北まで広く分布しており、日本を代表する建築材として多く使われてきました。日本の針葉樹のなかではやや軽く、やわらかいのが特徴。木肌はきめ細かくなめらかで断熱性にも優れています。収縮による狂いも少ない材です。国産材の中では、一番多くログハウスに使用される材です。
心材=淡褐色、辺材=黄白色。
杉

ウェスタン・ラーチ(日本名=西洋唐松)

材質はやや堅くて加工がしにくいのですが、木目が細かく非常に強度がある材です。手ざわりもしっとりしています。北米のコロンビア川上流のみに生育。一部のログハウスのビルダーから圧倒的な支持を受けている材です。
心材=小豆色、辺材=白色またはクリーム色。

檜(ヒノキ)

日本が世界に誇る名木。独特の光沢と香り、耐水性、耐久性、加工性など、どれをとっても申し分ありませんが、良質のものは入手しづらく、価格的にも高価です。
心材=淡黄褐色、辺材=黄白色。

唐松(カラマツ)

成長が早い材のため、テーパー(根元と先端の太さの差)が大きいのが弱点ですが、耐久性に富み、価格が安いのが特徴。樹齢が若いものは、あばれやすいので注意が必要です。
心材=淡赤褐色、辺材=白色。