ログハウスの耐震性・耐火性・耐久性

ログハウスの耐震性

地震に自信あり


新潟県中越沖地震では、震源地近くにBESSのログハウスがありましたが、近隣の 家屋が倒壊する中でも、この家は被害を受けませんでした。

ログ材同士を一体化し、横ずれを防ぐための鋼製のダボ。
ログハウスが地震に強いことは、よく知られています。1993年の北海道南西沖地震、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越沖地震などの大震災の際にもログハウスの躯体はほとんど損傷がなく、耐震性に優れていることが証明されました。近隣の住宅が倒壊し、電柱が傾くような状況にあっても、ログハウスはビクともしませんでした。
ログハウスが地震に強い理由は、太い丸太をふんだんに使用した建物であることと、その構造にあるといわれています。通常の住宅の約3~5倍もの材木を使用したログハウスは、重量があり、重心が低くなっています。そのため、地震の揺れには大変強いのです。また、ログハウスは、丸太を横積みにして1本1本をダボでしっかりつなぎ合わせた一体型構造になっています。地震に対して、ログが1本1本ずれながら摩擦力を発揮して、建物全体でしなやかに地震力を吸収します。その結果、揺れ幅が狭いので、被害を受けにくい構造なのです。中規模地震では、ログ同士の摩擦力だけでも十分な耐力を発揮し、大規模地震ではさらにダボの強力な働きによって地震力を吸収していきます。
ログ材の摩擦力とダボの組み合わせによる抵抗力は、大変大きな減震効果をもたらしますが、これは一般工法で特別に設置されている「制震装置」と同様の働きをしてくれます。

実験で耐震性実証、最高レベルの耐震等級で設計が可能に!


BESS独自の耐震実験(2004年)

日本ログハウス協会による実物大実験(2007年)
実際の大地震の際にもログハウスの耐震性は認められていましたが、ログハウス業界では、実験によってその耐震性を実証しました。2004年にはBESSがログ壁を積み上げた振動実験を行い、ログ壁が地震力を減じることを実証。2007年には、この結果を受けて、ログハウスの業界団体である日本ログハウス協会が、世界初の実物大ログハウス振動実験を行いました。阪神・淡路大震災並みの振動(震度7、マグニチュード7.3)を与えたところ、振動を与えていた時には大きく揺れたものの振動終了後に建物を調査したところ、建物の傾きは数㎜しかありませんでした。小さな亀裂も数カ所だけで済みました。実験により、ログハウスが地震に強い建物であることが証明されました。現在、ログハウスは、品確法で定められた耐震等級の最高級である3の耐震力で設計することが可能になりました。建築基準法で定められた耐震力の1.5倍の強さがあります。一般住宅で等級3の建物を建てる場合は、費用がかかる場合が多いのですが、ログハウスではほとんど追加費用なしでこの耐震力が得られるのです。

ログハウスの耐火性

炎に負けず有毒ガスも出さず

燃焼実験によって炭化膜が形成され、内部までは燃えていないログ材。
火災現場に行くと、家は全焼していても柱と梁が残っているのを見たことがあるでしょう。木は燃えやすいというイメージがありますが、実は太い木材は燃えにくいのです。一般住宅の柱や梁よりも太いログ材を積み重ねたログハウスは、さらに燃えにくくなります。理由は、木は燃えると表面に炭素の層ができるため、酸素の供給を遮断するから。太いログ材の場合は燃焼が内部まで及ぶ前に消えてしまうことが多いのです。さらにログハウスは、ログを積み重ねている構造のため、より燃えにくくなっています。逆に鉄やアルミニウムなどは熱で軟化してしまい、急激に強度が低下してしまいます。ログハウスは、万が一、火災になっても類焼を極力おさえてくれ、逃げる時間や消火時間に余裕がもてます。そのうえ、ログ材をはじめ、建材のほとんどに木材を使っているログハウスでは、新建材や化学物質などによる有毒ガスも発生しません。

隣家側の外壁は
表面が炭化しました。

室内側は
まったく被害がありません。
隣家からの延焼を防止したログハウス
BESSのログハウスにお住まいで、実際に隣家の火事に遭遇された方がいらっしゃいます。外出時に火災が起こり、帰宅時には隣家が全焼。ところがご自身の家は外壁の炭化にとどまりました。外壁の一部をリフォームする程度で済んだのは、壁がぶ厚いログハウスだからこそといえます。
◎市街地でもログハウス建築が可能に
以前、市街地でログハウスを建てるには、建築基準法で3mのセットバックが必要でした。つまり、建物と隣地境界線まで3m離さなければいけなかったのです。敷地が狭いことが多い市街地で、それだけの広い敷地を確保するのは難しいことが多く、市街地では建てづらい状況でした。BESSでは、独自の耐火実験によりログハウスの難燃性を実証し、いち早く「準耐火性能認定」を取得しました。これにより駅前や住宅密集地などの防火地域を除いて、ほとんどの市街地でログハウスの建築が可能になりました。

ログハウスの耐久性

100歳、200歳は当たり前
世界で一番古い木造建築である法隆寺が建てられたのが、607(推古15)年。日本で最初のログハウスである正倉院は759(天平宝字3)年。1400年以上も経っているということは、木が耐久性に大変優れている建物であることを、如実にあらわしているといえるでしょう。木は伐採後、時間が経過するほど強度が増していくことが知られており、ちなみに100年かかって育った木は、伐採後100年後に最も強度が出てくるといわれています。また、木は腐りやすいイメージがありますが、木が腐る原因を取り除けば腐ることはありません。腐る4つの要素は、水分、酸素、温度、栄養。そのひとつでも欠ければ、腐朽菌は活動できません。十分に乾燥した材を使用するほか、結露を防ぐ設計、防腐塗料によるメンテナンスを怠らなければ、ログハウスはいつまでも美しい風合いを保つことができるのです。